第69章 得意

「そんなにスマホが好きか?」

小林茉由はむっとして言い返した。

「なにするのよ!」

そう言いながら取り返そうと身を乗り出す。距離が詰まりすぎたことに気づき、はっとして立ち上がった。

「葉山墨也、ふざけないで。返して!」

「俺を罵るのか?」

葉山墨也はのんびりした口調のまま、手の中のスマホを弄ぶ。

画面に表示された石原友里からのメッセージを見た瞬間、茉由の心臓がひゅっと縮んだ。友里は昔から葉山墨也が嫌いだ。ろくなことは書いていないに決まっている。

茉由は躊躇なく男に突っ込み、スマホをひったくった。勢いよく起き上がった拍子に、唇がかすかに触れる。

――しまった。

顔が一気に熱...

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