第80章 欲をかき立てた

「わかったわ」小林茉由は葉山墨也の熱を帯びた視線をそっと避ける。「もう遅いし、寝る」

「うん」葉山墨也はくすりと笑い、それ以上は迫らなかった。

互いに一歩ずつ引く。そんな暗黙の了解のまま、夜は静かに更けていった。

それからの小林茉由は、仕事に没頭した。

目当てのジュエリーを手に入れて以降、彼女は来る日も来る日も新作のデザインに取り組む。

一方で、小林グループはあの話題性の恩恵を受け、受注が一気に跳ね上がった。小林雪乃は上機嫌のまま、アンストに制作のペースを上げるよう催促し始める。

今の受注量では到底回らない。アンスト側にも人員を増やしてもらう必要があった。

それだけではない。小...

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