第113章

この人は本当にけちだね、些細なことにまでいちいち目くじらを立てる。

鈴木夏美はこの件を引き受けるつもりだったが、馬鹿正直に全部自分のせいにするつもりはなかった。

彼女は頷き、少しも恥じる様子もなく言った。

「高橋社長、私を甘く見ないでください。半日だけでしたが、コーヒーを運んだり、資料を自分の手で印刷したりしましたよ。今お持ちのそのレポートも、私が印刷してお届けしたものです。どうして参加していないと言えるのでしょうか?」

これは明らかに暗に営業部での新人いじめの深刻な状況を告げているのだった。

鈴木夏美は自分が深く傷ついたと主張し、田村里奈に騙された件をこのまま済ませるわけにはいか...

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