第120章

鈴木夏美は自分の力では抵抗できないことを悟り、苦笑いを浮かべた。

「高橋隆一、あなたと白石知子が住んでいる家で私とそういうことをするのが、特別興奮するの?」

まさか自分がこんな日に、厚かましくも白石知子を言い訳にするなんて。

部屋は二人の思い出で満ちていた。どこを見ても、かつて二人が甘く狂ったように過ごした影があり、だからこそ、夏美はこの場所が特に嫌いだった。

特に昨夜アパートでの激しさを思い出すと、鈴木夏美は自分を絞め殺したいほどだった。

高橋隆一が薬を盛られたのは彼自身の問題だ。白石知子そっちのけで元妻の自分を求め、それに応じた自分は、彼の素晴らしい体と腹筋に目がくらんでいたと...

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