第145章

鈴木純平の名前を聞いた瞬間、藤原朝子の態度は明らかに動揺した。

彼女は話題を遮って言った。

「私と鈴木純平のことにあなたが口を挟む権利はないわ。今すぐ会社を辞めなさい」

ソファに座った鈴木夏美は黙ったまま。これは自分が関われる問題ではなかった。

高橋隆一は二人の間を視線で巡らせてから言った。

「今すぐ荷物をまとめて、人事部で退職手続きをしてきなさい」

彼が藤原朝子をなだめるだろうと思っていたのに、まさか自分に退職を命じるとは。

鈴木夏美は冷ややかに笑った。

「私がどこで会社の規則に違反したというのですか、高橋社長。聞かせていただけますか」

胸の内では悔しさが渦巻いていた。会...

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