第152章

「それはあなたが口を挟むべきことではないわ」

木村結花の表情は見えなかったが、鈴木夏美は彼女の感情が非常に不安定で、爆発寸前であることを何故か感じ取っていた。

「あれは命よ。どうしてあの子に手をかけられるの?」

鈴木夏美が直接尋ねると、木村結花の手の動きが急に荒くなり、声も鋭く耳障りになった。

「あんな尊厳もなく生きるくらいなら、死んだ方がましよ!」

木村結花は医者だった。鈴木夏美にはそれがわかった。包帯の巻き方が実に専門的で、この精神病院に採用されたことも、彼女に患者を治療する実力があることの証明だった。

真相はもう目の前にあると感じた鈴木夏美は、急いで質問を続けた。

「一体...

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