第17章

鈴木夏美は高橋隆一が小林正幸について尋ねるのを聞いて、心に緊張が走った。

「あの方は私の先輩で、ちょうど道が同じだったから送ってもらっただけです」鈴木夏美がそう言い終えると、高橋隆一の目が冷たさを増しているのに気づいた。

高橋隆一が徐々に鈴木夏美に近づいてきた。彼から放たれる威圧感に、鈴木夏美は息苦しさを感じた。

「だから、お前はあの男のために俺と離婚したいと思ったのか?」高橋隆一が冷たく尋ねた。

「頭おかしいんじゃない?離婚を切り出したのはあなたで、私はただ同意しただけよ。何が不満なの?私のことにとやかく言う権利なんてあなたにないでしょ?」鈴木夏美は高橋隆一が今とても気持ち悪く感じ...

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