第200章

鈴木夏美は手術室の冷たい床を手で支えながら、よろよろと外へ歩き出した。

命を狙われたにもかかわらず、彼女の心には恐怖だけでなく、青山先生への不思議な好奇心も芽生えていた。

あの目は、あまりにも見覚えがあった。

他の人には見えなかったかもしれないが、ピエロが目の前に立った時、あのピエロの衣装の下の目は、青山先生のものとほぼ同じだった。間違いなく同一人物だと断定できる。

もし本当に彼女だとしたら、彼女が気にかけている相手は高橋隆一しかありえない。

もし彼女の推測が正しければ、白石昌治に住所を漏らした人物は彼ではなく、いわゆる青山先生だ。

あるいは、毒虫という組織だろう。

鈴木夏美は...

ログインして続きを読む