第28章

たった数日の間に、彼女はどうしてこんなに変わってしまったのだろう?

小林正幸は彼女が何を経験したのか分からなかった。

以前の彼女は治療を諦めるなど考えもしなかった。あの頃は明らかに強い生への執着があったのに、今はすべてが変わってしまった。

鈴木夏美の目には、今、生きたいという強い願望は見えないが、死ぬ気も感じられない。

彼女の目はまるで波一つない古井戸の水面のようで、一枚の葉が落ちても、何の波紋も立たないだろう。

「彼のせいなのか?その手の怪我も彼が?」

鈴木夏美は首を振った。

「違います」

「これは絶対に彼と関係があるはずだ。君は彼のことになると、いつもこんなに理性を失うん...

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