第31章

高橋隆一は何も言わず、ただ静かに鈴木夏美を見つめていた。その眼差しには失望が満ちていた。

高橋隆一は力なく椅子に座り込んだ。

「お前と関係ないことを願いたいが、監視カメラの映像ではお前が墓地に三時間も滞在していた。一体何をしていたんだ?」

「それだけで私の過ちだと断定するの?」

鈴木夏美は怒りと共に苦笑いを浮かべた。

「私は弔いに行っただけよ。おばあちゃんとちょっと長く話したことも悪いことなの?それに、墓石なんてそう簡単に壊れるものじゃないわ。まさか私に墓石を砕く力があると思ってるの?」

「よく見てみろ、これは何だ?」

高橋隆一は床に落ちている一枚の写真を指さした。彼女の否定に...

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