第321章 五ちゃんが見つかった

「俺が人を手配して、海をさらわせようか」

かつて鈴木夏美の遺体を捜索した際、沿岸の湾は干上がる寸前まで水を抜かれたことがあった。徒労に終わった後、彼は築いた堰を再び取り壊させたのだ。

そうなると、あの遺体はまだ海水に浸かっているはずだ。たとえ魚に肉を食い尽くされたとしても、白骨化した死体ぐらいは残っているだろう。

「まだ競り落としたい品があるの。少し待ってもらえない?」

鈴木夏美はタイミングよく二人の会話を遮った。彼女はオークション会場に来た本来の目的――龍鳳玉佩を取り戻すことを忘れてはいなかった。

高橋隆一は頷き、彼女の言い分を認めた。

「先にヘリで鈴木さんと引き上げ班を現地へ送る...

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