第328章 鬼島擎、斎藤蓮死す

鈴木夏美は彼女を強く突き飛ばした。「逃げられるはずでしょう。どうして私と刺し違えようとするの?」

斎藤蓮の言葉の端々から、ある推測が結びついた。

本来、ここは安全なはずだった。星野奏を連れてきたのは彼女自身だ。

鈴木夏美の脳裏に、彼女の指にある指輪が浮かんだ。彼女は掠れた声で叫ぶ。「その指輪を捨てて!」

星野奏はすでに場所を特定している。だが、後続の部隊が二人の正確な位置を把握しているとは限らない。あの指輪は発信器代わりだ。身に着けている限り、居場所は筒抜けになる。

「鈴木さんは本当に聡明だな」

斎藤蓮は言われるが早いか、即座に指輪を地面に投げ捨てた。金属の輪が星野奏の足元まで転が...

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