第331章 子供と共に死ぬ

もしここが病院だったなら、保育器に入れてこの子たちを救う手立てもあっただろうに。

鈴木夏美は茫漠たる海を見つめ、右の拳を砂地に激しく叩きつけた。

「どうして、私ばかりこんな目に!」

一度ならず二度までも。神は彼女の悲嘆など意に介さず、あろうことか、この双子まで奪い去ったのだ。

森本はその悲痛を理解していたが、事態は一刻を争う。別荘の方角から、包囲網がすでにここまで迫っていた。

敵は防弾チョッキで武装し、銃火器を携えている。数で対抗するしかない護衛たちには、あまりに分が悪かった。

前線にいた鬼島擎が、がくりと膝を折った。片足に風穴を開けられながらも、彼は必死の形相で叫ぶ。

「子供はいい...

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