第336章 手を下したのは誰か

痛みを感じるということは、ある意味において、良いことだ。

鈴木夏美は顔を上げ、彼を見据える。その口調には、さざ波一つ立っていなかった。

「この腕、治したいんです」

名医の診察を受け、リハビリを重ねれば奇跡は起きると、鈴木夏美は信じていた。

かつて、あの鈴木純平があれほど短期間で立ち上がるとは誰も信じず、初診の医師でさえ一生車椅子生活だろうと宣告したように。

だが、彼は不屈の精神でそれを覆した。夏美は思う。自分だって、そう悪くはないはずだと。

高橋隆一は、なぜ彼女が突然吹っ切れたのか分からなかったが、治療に前向きなのは良いことだと思った。

少なくとも、以前のように死に取り憑かれ、生...

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