第339章 希ちゃんお嬢様

鈴木夏美はどうしていいか分からず、困惑した表情を浮かべた。おそるおそる手を伸ばして老婦人を助け起こそうとしたが、事情を尋ねる間もなく、涙で潤んだ瞳と視線がかち合った。

「お嬢様、ずいぶんと長いことお待ちしておりました……! やっと、やっとお会いできましたわ!」

鈴木夏美は老婦人の顔をじっと見つめたが、やはり見覚えのない顔だった。

立ち去ろうとしたが、手首を強く握りしめられて離れない。

「希(のぞみ)お嬢様、やっと見つけました」

老婦人は白髪で、背中も少し丸まっている。枯れ木のように痩せた手が夏美の手に重ねられ、その目には涙が溢れていた。

鈴木夏美は無理に手を振りほどくこともできず、...

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