第353章 彼の意に背けば、死

「いいんですか?」

鈴木夏美は、高橋隆一が本質的に小動物を好まない質だと感じていた。確たる証拠などどこにもないのだが、なんとなくそう思うのだ。

「ああ。君が空の星を欲しいと言うなら、俺はそれだって摘み取ってみせるさ」

高橋隆一は軽く笑うと、彼女の手を引いて歩き出した。

前方の庭には、一面に散り敷いた落花が広がっている。鈴木夏美がそこへ足を踏み入れると、その邸宅の庭にも同じようにブランコがあることに気づいた。

私は昔、ブランコが好きだったの?

懐に抱いていた子猫が、ぴょんとブランコへと飛び移る。鈴木夏美もそれに導かれるように近づいた。頭上から花弁が舞い落ち、彼女の髪にふわりと留まる。...

ログインして続きを読む