第362章 高橋家の過去

ヴァイパーが開発した薬の効果は、これまで万全のはずだった。それなのに、なぜこれほど重篤な副作用が出る?

高橋隆一は腕の中にいる女を優しくあやしながらも、胸中には不安が渦巻いていた。

こんなにも効き目が不安定だとわかっていれば、もう少し研究に時間をかけるべきだった。

鈴木夏美が眠りにつく前、彼はホットミルクに情緒を安定させる薬を混ぜた。そのおかげで、彼女はすぐに深い眠りに落ちていた。

高橋隆一は彼女の寝顔を見つめるが、どうしても心は凪がない。その深淵のような双眸は、鈴木夏美の顔に釘付けになっていた。

もし、薬に本当に欠陥があったとしたら、どうすればいい?

いや、そんな結末は断じて受け...

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