第365章 硫酸を浴びせる

鈴木夏美はその出来事を思い返すだけで、今でも背筋が凍るような思いがした。

後から追いかけてきた池永も、二人が無事であることを確認すると、大きく胸を撫で下ろした。

「あらまあ、奥様。もしあなたに何かあったら、私、心配で死んでしまいますわ!」

鈴木夏美は彼女をなだめ、ようやく落ち着かせた頃には、遠くに見えていたあの男の姿はすでに消えていた。

脳裏には、つい先ほど目にした二人の子供の顔が焼き付いて離れない。男女の双子で、とても可愛らしい顔立ちをしていた。

なぜだか分からないが、あの子供たちに対して、説明のつかない親近感を覚えていた。

彼女は小さく溜息をついた。男の言葉が頭から離れない。

好奇...

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