第37章

「人間の本質ってさ、結局ゴシップ好きってことだよね」

あの頃鈴木夏美休学の件は最大の謎だった。在席の者たちは多かれ少なかれこの話題について議論したことがあるが、答えは出なかった。

小林正幸は優れた容姿を持ち、現在病院に勤務し、待遇も申し分ない。

小林正幸の親切な振る舞いもあり、誤解されるのも無理はなかった。

鈴木夏美は何気なく向かい側を見た。高橋隆一は何も言わなくても、機嫌が良くないことが伝わってきた。

彼女は箸を置き、ゆっくりと口を開いた。

「本当に知りたい?」

周りの人々は口々に言った。

「同級生同士だろ、もう引っ張るなよ」

「実は大したプライベートな事じゃないから、み...

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