第370章 無視されて

茶番劇は、ひとまずの休止符を打った。

田中健太は事の顛末を目の当たりにし、顔を曇らせた。

「高橋社長、これからどうなさるおつもりですか?」

高橋隆一がこれまで潜り抜けてきた陰謀や策略は、片手で数え切れるものではない。だが、今回の一件はその中でも最も深刻なものだった。

黒幕は決定的な証拠を握り、彼を社会的に抹殺しようと画策しているのだろう。

高橋隆一は窓の外に目をやった。暖かな陽光がオフィスに射し込み、闇という闇を暴き出すかのように部屋の隅々まで照らしている。

「相手の策に乗ってやるさ。暗がりに潜むネズミ共には反吐が出る。この際だ、一網打尽にしてやる」

控えていた鬼島擎が、社内の話題が...

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