第373章 高みの見物

二人は寄り添うように座り、高橋隆一は鈴木夏美の首筋に顔を埋め、愛おしげに頬をすり寄せた。

「俺が本当に、ただ黙って厄介事が降りかかってくるのを待っているとでも思ったか」

鈴木夏美にとって、この男と過ごした時間はまだ短く、彼の流儀というものを完全には理解していない。

だが今にして思えば、高橋隆一という男は、勝算のない戦いは決してしない人間だ。今回の件も、事が動く前からすべて把握していたに違いない。

鈴木夏美は彼の胸を軽く叩いた。

「最初から知っていたのなら、どうして教えてくれなかったんですか。おかげで無駄に心配してしまったじゃないですか」

「まさか、奥様がこれほど俺を気にかけてくれる...

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