第378章 親への挨拶

二人が乗ったのはファーストクラスだ。二つの国はそれほど離れておらず、鈴木夏美はアイマスクをしてひと眠りしている間に目的地へと到着していた。

飛行機を降りると、高橋隆一は彼女の手を引いて一人の初老の男の前へと連れて行った。

鈴木夏美はふわふわとした毛皮のコートを身に纏い、耳元では長いタッセルピアスを揺らしている。丁寧に結い上げられた髪も相まって、その姿はまるで精巧なフランス人形のようだった。

「若様、奥様の代わりにお迎えに上がりました」

初老の男は高橋隆一に対して恭しい眼差しを向ける。「奥様が首を長くしてお待ちです。さあ、屋敷へ参りましょう」

話している間、彼は鈴木夏美を一瞥もしなかっ...

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