第381章 入門の礼

高橋隆一は、母が柴田結衣をどう思っているのか、その真意を測りかねていた。

「てっきり、柴田結衣を息子の嫁にしたがっているのかと思っていました」

桜井蘭は不思議そうな顔で彼を見やる。

「いつの時代の話をしているの? 今どき親が決めた相手と結婚させるなんて。それに……夏美さんはいい子よ。あなたにお似合いだわ」

その言葉に、高橋隆一の胸のつかえが取れた。同時に少しおかしくもなってくる。

「では、なぜ柴田結衣を高橋家に置いているんです? 性格がいいとはお世辞にも言えないでしょう」

柴田結衣は高橋夫人の座を虎視眈々と狙い、桜井蘭に取り入ろうと必死だ。だが、その本性はわがままな令嬢そのもの。甲斐甲斐...

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