第389章 冷酷非道

久しぶりの再会だ。高橋修二は、彼女が昔のように形振り構わず自分に縋り付いてくると思っていた。

だが、現実は違った。

桜井蘭の瞳にあるのは、決意と嫌悪だけ。かつて自分を愛していた面影など、どこにもない。

だが、彼女がそうであればあるほど、高橋修二はこの女を手放したくないという衝動に駆られた。

「これが隆一の嫁か?」

修二は蘭からの返答など期待せず、独り言のように続けた。

「目上の者として、祝いの一つでもしてやらんとな」

桜井蘭は、この男の顔を見るだけで吐き気がした。昔の自分は、いったい何に目が眩んでいたのか。なぜ、こんな男に何年も執着していたのか。

彼女は鈴木夏美の手を強く握り締...

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