第392章 交通事故と海

三人は車に乗り込んだ。高橋隆一と鈴木夏美は後部座席に収まり、桜井蘭が助手席のドアを開ける。

あの一件があってからというもの、鈴木夏美は依然として気分が優れなかった。

彼女が下腹部を押さえていると、その異変にいち早く気づいた高橋隆一が、手を伸ばして優しく彼女の腹をさすった。

「胃が、また痛むのか?」

鈴木夏美は頷き、脱力したようにシートへ身を預ける。

「夏美さんは、以前から胃が悪いの?」

桜井蘭が絶妙なタイミングで口を挟んだ。

高橋隆一は彼女の胃に少し持病があることは知っていたが、発作を起こす姿は数えるほどしか見ていない。

「ちょっとした持病みたいなもんだ。大したこたぁない」

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