第397章 掌握の中

鈴木夏美は両手を合わせ、心の底から祈りを捧げた。

どんな代償を払ってでもいい。ただ、高橋隆一が生きて帰ってきてくれさえすれば。

彼からの愛を受け入れ、この家族の一員として生きる努力をしよう。そう心に誓う。

これまでの自分はあまりにもわがままだった。高橋隆一の愛が足りないと勝手に思い込み、高橋家という場所に馴染もうとしなかった。

だが今になってようやく、すべては自分の心が作り出した迷路に迷い込んでいただけだったのだと気づかされた。

その時、電話のベルが鳴り響く。鈴木夏美が受話器を取ると、聞き覚えのある凛とした声が耳に飛び込んできた。

「現場には到着したわ。本当ならあなたも連れてきたか...

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