第402章 彼はまだ生きている

甲斐性なしとはいえ、高橋修二も腐っても男だ。男としての面子までかなぐり捨てる気はなかった。

「よくも母さんに手を上げたな!」

高橋唯人はその場の混乱を目にするや、大股で歩み寄り、二人の間に割って入った。

浅野舞の頬には鮮やかな平手打ちの痕が残り、高橋修二もどこか狼狽しているように見えた。

だが、桜井蘭にとって高橋唯人などただの子供に過ぎない。彼女は一歩も引かずに立ち尽くしていた。

「どこの馬の骨とも知れない野良犬が。私が誰を殴ろうと勝手でしょう。いちいち吉日でも選べと言うの?」

「誰が野良犬だ! 父さんと母さんの仲を引き裂いたのはあんただろ。このクズ女が!」

高橋唯人の言葉には一...

ログインして続きを読む