第404章 抜け穴なし

寝室にあった物は、何ひとつ残らず運び出されていた。

 高橋修二は、それが単に「過去の遺物は不要」という意味なのか、それとも自分への当てつけなのか、判別がつかなかった。

 彼の視線は桜井蘭を追い、その表情の機微を少しも見逃すまいと執着していた。

 対照的に、桜井蘭は彼のことなど歯牙にもかけない。泰然自若とした様子で使用人たちに指示を出し、淡々と荷物を運び出させている。

 かつては豪華絢爛だった主寝室は完全に一掃され、金目の物はすべて持ち去られ、ただの空虚な箱と化していた。

 その光景を目の当たりにした浅野舞の顔色が、みるみるうちに曇っていく。

 彼女はこの屋敷での贅沢な暮らしを夢見て...

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