第406章 あなたには弟がいる

高橋隆一は一歩その場から退いた。

「薬の効果が現れるまで二十分。その間に気が変われば、解毒剤を打ってやることもできる」

 解毒剤を打つ条件は、高橋隆一に従うことだ。

 黒狐は腹を括ったのか、口を噤んだままだ。

 この薬は簡易テストを経ただけで、実戦投入はこれが初となる。人体にどのような副作用が出るかは未知数だ。

 薬が効いて意識を失ってしまえば、満足な尋問などできなくなる。

 最善の手は、やはり彼自身の口から連絡係の情報を吐かせることだ。

 高橋隆一は革張りのソファに足を組んで座り、軽く舌打ちをした。

「お前はA国の人間だな。資料に間違いがなければ、弟が一人いるはずだ」

 その...

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