第407章 モーニングスター

「四、三……」

 少年の退路はすべて断たれ、彼はただ呆然と立ち尽くしていた。

 田中兄貴が手を伸ばし、一歩、また一歩と少年に迫る。

 間一髪のその瞬間、黒狐は拘束を振りほどかんばかりに激しく身をよじった。

「待て! そいつに手を出すな、全部吐く!」

 ついに心身の限界を迎え、彼は口を割った。

 大画面の向こうでは、田中兄貴の手が弟の腕を掴んでいた。だが、突き落とすのではなく、引き戻す動作へと変わる。

「屋上は危ないぞ。次は気をつけるんだな」

 田中兄貴は彼を一瞥し、そう言い残して背を向けた。

 少年は何が起きたのかも分からず、自分が死の淵に立たされていたことすら気づかずに、その...

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