第411章 高橋美帆か

この一件さえ片付けば、寝ても覚めても想い焦がれていた鈴木夏美に会える。そう考えただけで、彼の心臓は制御不能なほどの狂騒を始めた。

 彼女を想うたび、胸の奥から言葉にし難い高揚と期待が湧き上がってくる。

 鈴木夏美の出現は、彼の世界に新たな色彩を与えたと言っても過言ではない。ありふれた日常のひとコマひとコマが、彼女が存在するというだけで、特別なものへと変わっていくのだ。

 彼女の笑顔、その声、ふとした瞬間に見せる優しさ――それらすべてが、彼に無上の幸福と充足感をもたらしてくれる。かつては忌み嫌っていたものでさえ、今ではそれほど憎くはないと思えるほどに。

 犯人さえ捕まれば、二人でA市に戻...

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