第413章 無力

弁解など無意味――鈴木夏美は、その言葉の真意を痛いほど思い知らされた。

浅野舞という女は、息をするように『悲劇のヒロイン』を演じてみせる。リハーサルなど不要、その矛先はあまりに正確に夏美へと向けられていた。

「あなたの可愛い息子さんが何を言ったのか、ご自分で聞いてみたらどうです」

夏美は怒りで肺が破裂しそうだった。被害者は自分なのに、この母子はまるで夏美が高橋唯人を虐めたかのように被害者面をしている。

「あの子の性格は私が一番よく分かっています。揉め事を嫌うあの子が、理由もなくか弱い女の子を虐めたりするはずがありません」

浅野舞は目尻の涙を拭う。その健気な姿は、誰が見ても同情を誘う...

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