第414章 演技の達人

今日は祖父の誕生日だ。本来なら穏便に済ませたかったはずだが、高橋修二とその家族は相変わらずだ。場を引っ掻き回さなければ気が済まないらしい。

 大勢の来賓が見ている前で、高橋の祖父は顔に泥を塗られたような気分だったろう。

 桜井蘭は彼のそばに歩み寄ると、高橋修二との口論を止めた。

 高橋修二もバツが悪そうに口をつぐみ、何食わぬ顔で視線を逸らす。

 これで一件落着かと思いきや、傍らにいた高橋唯人が突然声を上げた。

「僕が辛い思いをするのは構いません。でも、母さんを侮辱するのは許せない。僕だってあなたの孫なのに、どうしてこんな仕打ちを受けなきゃいけないんですか」

 高橋唯人は声を張り上げ、...

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