第424章 長尾久行を見つける

別荘の外、田中健太と田中雄介が並んで立っている。

 田中健太は指に挟んだ煙草を見つめ、苦渋に満ちた表情を浮かべた。

「奥様の容態は悪化する一方だ。このままじゃ、高橋社長の精神状態が持たないぞ」

 奥様がまだ息をしている今でさえ、社長は常軌を逸しかけている。もし万が一、蘇生できずに亡くなるようなことがあれば、高橋社長は彼女の後を追わせるように、全人類を道連れにしかねない。

 田中雄介の心境も似たようなものだった。彼は振り返り、砕けたガラスの上に跪かされている高橋唯人に視線を送る。

「だが、どうすればいい。癌なんて、完治の前例がない病気だ」

 田中健太は煙草を吸い終えると、吸い殻をゴミ箱に...

ログインして続きを読む