第429章 羞恥

あのプライドの高い高橋隆一が、まさか自分に頭を下げるとは、小林正幸は夢にも思わなかった。

 小林正幸は小さく溜息をついた。もし高橋隆一がもっと早く自分の過ちに気づいていれば、彼と鈴木夏美の関係も、ここまで拗れることはなかっただろう。

 だが、これは彼ら二人の感情の問題だ。小林正幸が口を挟む資格はない。

 高橋隆一は小林正幸に向き直ると、どこか居心地が悪そうに口を開いた。

「お前はあいつが信頼している友人だ。今のあいつは俺の言葉など聞こうともしない。頼む、俺の代わりに説得してくれ。治療を受けるようにと」

「高橋社長、彼女と向き合うのが怖いのは分かります。ですが、こればかりは社長ご自身がな...

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