第44章

「何を言っているんだ!」

手に持っていた解熱剤が滑り落ち、高橋隆一は鈴木夏美の熱く火照った額に手を当てた。頭がズキンズキンしている。

鈴木夏美はいつも健康だったのに、どうして急にこんなに重症に?

栗原伸昭が足早に彼の側に寄り、血液検査の結果を取り出した。

「白血球数はすでに2.3まで落ちています。これ以外にも、ほとんどの数値が正常値を下回っています」

健康な人の体にこんな症状が出るはずがない。

高橋隆一は震える手で検査結果を持ち、彼女はじっと紙の上の数字を見つめていた。

鈴木夏美の体調がこれほど悪化したのは、彼と無関係ではない。

もしさっき彼女を冷水に浸からせなければ、この事...

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