第45章

夢の中はとても広々としていて、以前の問いただす声はなく、代わりに子供の姿が現れた。

子供はぷりぷりとした太ももを揺らしながら彼女を追いかけて笑い、何度も呼びかけていた。

「ママ、私はあなたを一度も恨んだことなんてないよ。一緒に遊ぼうよ?」

鈴木夏美は広大な花畑に立ち、遠くに見える小さな影を見つめながら、自分が聞き間違えたのではないかと思った。

その子が花畑を走り回り始め、鈴木夏美の心はふと緊張した。

「走らないで、転んじゃうわよ」

だがこの子供は彼女の心配など気づいていないようで、そのまま花畑の中央へと走っていった。

「ママ、私を見つけたら、一緒に帰ろうね」

鈴木夏美は全身の...

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