第47章

病院の七階の病室から飛び降りれば、間違いなく死ぬ。

鈴木夏美は目を覚ました瞬間から、ここが高層階だと気づいていた。彼女は高橋隆一をこんな方法で罰したいわけではなく、ただ彼との過去をすべて断ち切りたかっただけだ。

だが鈴木夏美は思いもよらなかった。彼女が高橋隆一の束縛から逃れて飛び降りた時、彼も後を追って飛び降りてきたのだ。

風の音が耳元を過ぎ去り、高橋隆一の力強い腕が彼女をしっかりと抱きしめていた。二人はこの上なく親密な姿勢で密着していた。

鈴木夏美は目を見開いた。飛び降りた瞬間、高橋隆一がためらいもなく身を躍らせるのを見たのだ。

死ぬとしても、二人は絡み合ったままなのか?

彼は...

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