第50章

白石知子は神様ではないのだから、どうやって密かに彼女の検査報告書をすり替えることができるのだろう?

この二年間、多くのことが起きた。一見すると偶然のように見えるか、あるいは彼女が白石知子の仕業だと断定したものばかり。

しかし、その中の多くは、一人の人間のやり方とは思えない。

今や高橋隆一の心の中では、彼女の信用は完全に失われている。たとえ調査を頼んでも、演技をしているとしか思われないだろう。

大量の人員を投入して捜索すれば、闇に潜む人物を警戒させるだけだ。

もし相手が警戒心を抱けば、すべては水の泡になってしまう。

鈴木夏美は栗原伸昭にこのことを話す勇気はなかったが、彼女の心の中に...

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