第77章

クルーズ船上、ベビーシッターの足が銃撃を受けた。

血が流れ出し、ベビーシッターは泣きじゃくりながら言った。

「高橋社長、坊ちゃんが攫われてしまいました!」

犯人たちは明らかに計画的で、複数の銃を手にしていた。おそらく前から高橋信也を狙っていたのだろう。

白石知子は直接ベビーシッターに駆け寄り、平手打ちを食らわせ、険悪な口調で言った。

「一日のうちに信也が二度も攫われたのよ。あなた、ちゃんと見ていたの?」

ベビーシッターは怪我をしている上に、平手打ちを食らい、呆然としていた。

高橋隆一は白石知子の振る舞いに嫌悪感を示した。

「では、お母さんであるあなたは、自分の子供をちゃんと守...

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