第51章

「お前が何を言っている!千穂はお前の姉だぞ!」

篠原健一は激怒して言った「やっぱりな、お前は何か企んでいる。だがな、もしお前が姉に何かしようものなら、娘として認めんぞ!」

篠原友香は平然と答えた「あなたが私を認めるかどうか、もうどうでもいいわ。私には木戸家の孫が味方についているのよ。これからの私の立場は、あなたさえも足元にも及ばないものになるわ!」

そう言い放つと、篠原友香は篠原健一の表情など気にも留めず、鼻歌を口ずさみながら階段を上がっていった。

二階に着くと、かつて篠原千穂の世話をしていたお手伝いさんの下村さんと出くわした。

篠原千穂が嫁いだ後、下村さんは篠原健一によって篠原家...

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