第54章

篠原千穂は心が沈み込み、足を止めた。

次の瞬間、彼女の目の前に広がっていたのは、階段から転げ落ちて床に倒れている篠原友香の姿だった。その身体の下には鮮血が広がっていた。

「あっ!痛い、お腹が……」

篠原友香はお腹を押さえながら、苦しそうに呻いていた。

そのとき、植田恭子の声が聞こえてきた「まあ、友香、どうしたの?」

彼女は駆け寄ると、篠原千穂を乱暴に押しのけ、怒鳴った「この鬼畜な娘!うちの友香がいったい何をしたっていうの、こんな仕打ちをするなんて!誰か助けて!救急車を呼んで!栄婦人科病院に電話して!」

篠原千穂は頭がぼうっとして、床に広がる血の跡に目を奪われ、めまいがしそうだった...

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