第60章

木戸達也は上機嫌で唇の端を上げ、彼女の恥じらいながらも無邪気な様子を見つめ、思わずまた自制心を失いそうになった。

篠原千穂は彼の顔を見る勇気がなく、ただ彼に身体を洗ってもらうままにしていた。真っ赤に染まった小さな顔は、すでに彼の胸元に埋もれていた。

そのとき、男の薄い唇が再び彼女の耳たぶに触れた。

「千穂ちゃん、君は本当に美しい」

彼の妖艶な声に、彼女はまたびくりと身を震わせた。

最後に、篠原千穂は白いバスタオルに包まれ、まるで赤ちゃんのように抱かれてベッドに戻された。

今夜、こんなにも恥知らずに彼にまとわりついたことを思い出し、篠原千穂は少し後悔していた。彼の目さえまともに見ら...

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