第116章

オフィスには、安井綺世の挙動を盗み見ている者が少なからずいた。

そんな中、綺世が突然、怒りを露わにして立ち上がったものだから、彼らは一斉にバツが悪そうに視線を逸らし、誰一人として綺世と目を合わせようとしない。

どいつもこいつも後ろめたい表情を浮かべており、綺世には一体誰が犯人なのか、すぐには特定できなかった。

そこへタイミングよく、辻本修一がオフィスに入ってきた。

綺世の様子がおかしいことに気づいた彼は、事情を尋ねようと歩み寄ったが、綺世の手にある写真を見て即座に状況を理解した。

修一は綺世以上に激昂し、静まり返ったオフィスに向かってドスの利いた声を放つ。

「ここは職場だぞ。仕事...

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