第12章

五年前の決着をつけるのに、今からでも遅くはない。

安井綺世(やすい・あやせ)のあまりに断固とした態度に、相馬千冬(そうま・ちふゆ)ですら一瞬、虚を突かれた。

「安井綺世、俺は離婚になど同意しないぞ」

「なら、裁判で決着をつけましょう!」

綺世の即答は千冬の予想を遥かに上回る速さだった。その瞳は瞬きもせず、ただ決意だけが満ち溢れている。

「国内屈指の離婚弁護士を雇います。でも安心して、相馬さん。財産分与は一円たりとも求めないわ。当初お爺様が約束してくれた株式だって、そのままお返しします」

「もう二度と、あなたとは関わり合いたくないの。私は私の道を行く、あなたはあなたの道を行けばいい...

ログインして続きを読む