第122章

「お二人は、お知り合いなの?」

 安井綺世は疑念を滲ませた瞳で相馬千冬を一瞥すると、警戒心をさらに強め、白井逸次へと鋭い視線を向けた。

 白井逸次はゆったりと立ち上がり、安井綺世に向けて洒脱な笑みを投げかけた。

「これが安井さんか? 噂はかねがね。こんな美しいお嬢さんにお目にかかれて光栄だ」

 白井逸次という男は、この賭場の空気そのものと完全に同化していた。全身から危険で仄暗い、得体の知れないオーラを放っている。

 今でこそ紳士ぶって振る舞っているが、その身に纏う野性味と無頼の気配は隠しようもなく、たとえ相馬千冬の前に立っても一歩も引けを取らない存在感があった。

 安井綺世は眼差...

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