第146章

不意に、二人の視線がぶつかり合った。

安井綺世は目覚めたばかりの微睡みの中にあり、その無防備な姿は、相馬千冬の瞳に余すところなく映し出されていた。

彼の瞳に浮かぶ笑意がいっそう柔らかさを増す。相馬千冬は自然な仕草で手を伸ばし、安井綺世の頬にかかる髪をそっと払った。

熱を帯びた指先が、彼女の横顔に触れる。

安井綺世は茫然と瞬きを繰り返したが、相馬千冬が何をしたのかを理解するまでに数秒を要した。頬に残る微かな痺れが、次の瞬間には火がついたように熱くなり、顔全体が真っ赤に染まる。

彼女は弾かれたように半歩後ずさったが、自分がベッドの端に座っていることを忘れていた。バランスを崩し、あわや床...

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