第21章

丹羽佑妃が大声を張り上げると、安井綺世はびくりと肩を震わせた。

(相馬千冬が、あんな捨て台詞だけで本当に引き下がるだろうか?)

安井綺世が不安で目を伏せる中、丹羽佑妃は両手にデリバリーの袋を提げたまま、大股で二人の前に躍り出た。そして強引に安井綺世と相馬千冬の間に割り込み、彼女を庇うように立ちはだかる。

丹羽佑妃は相馬千冬を頭のてっぺんからつま先までジロリとねめつけた。

「うちの綺世に毎日毎日付きまとって、何様のつもり? 小林雪子よりマシになったと思って、今さらヨリを戻そうってわけ? 遅いのよ!」

安井綺世は背後から丹羽佑妃の腕をそっと引き、小声で告げる。

「初幸と皐雪のDNA鑑...

ログインして続きを読む