第46章

皐雪は頬杖をつき、真剣そのものの眼差しで相馬千冬を見つめた。

「相馬おじさん、私、パパに会ったことないの」

相馬千冬は視線を落とし、その拙い線画を眺めた。

四人の太い線の棒人間。その中で唯一、パパを表す青い人形だけが、目鼻を描かれていなかった。

確かに、皐雪の言う通りだ。

「パパはずっと前に死んじゃったの」

皐雪は目を細めてにっこりと笑いながら、相馬千冬にそう告げた。

「なら、どうして描いたんだ?」

相馬千冬は骨張った長い指を曲げ、画用紙をコツコツと叩いた。

この二人の子供は、年齢に似合わぬ聡明さを秘めている。

小手先の嘘で相馬千冬を欺けると思ったら大間違いだ。

相馬千...

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