第48章

静まり返った夜。雲翔ビルの中で明かりが灯っているのは、システム部を除けば、あとは経理部だけだった。

オフィス内は怨嗟の声に満ちていた。

パソコンに向かう哀れな社畜たちは、少し作業をしては深いため息をつく。

彼らを鼓舞するため、安井綺世は自腹を切って夜食とコーヒーを差し入れていた。

「このプロジェクトが終わったら、ボーナスとは別に辻本社長に掛け合ってみるわ。みんなが少し休暇を取ってリフレッシュできるように」

それでもオフィスの士気は低いままだ。安井綺世は懸命に彼らのやる気を引き出そうとする。

綺世の隣に座っていた女性社員が、深く、重い息を吐いた。

「安井さん、今のこの気持ち、分か...

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